Train-Fishing

首都圏在住、国内遠征をベースに釣りをしています。

Searun Colored Up Arctic Char

グリーンランドでの釣り3日目。

この日も凍結で朝は水道が使えなかった。確かにグリーンランドに来てから一番寒い朝でサテライトキャンプまでの道のりも霜が降り、水溜まりは凍結している。

一番にサテライトキャンプに着き、ガイドに婚姻色のアークティックチャーを狙いたいから上流に行くと告げた。

ガイドは他の人につくため何かあったら、同じく上流に行く予定のフィンランド人グループに助けを求めるよう指示された。

3日目からは単独で釣りをすることがほとんどになった。

アラスカでもそうだったが海外のガイドはさっさとリリースのスタンスの人が多い印象だ。魚の撮影をし辛い。

これだけ寒いし水温も低い。さらにはほとんど水から出さないんだから少しくらい撮影に時間をかけさせて欲しいので、単独は好都合だ。

サテライトキャンプからポイントまで30分ほど歩き、さっそく釣りを開始する。


静か。哺乳類や鳥などの野生動物はほとんどいないため、聞こえるのは川と風の音だけ。

この川に現在釣り人は6人しかおらず、それぞれが好きなポイントで釣りをしている。

川には無数の魚がおり、景色には人為的なものが一切ない。

これこそが真の秘境、自由な釣り場、釣れる河川であり、日本には良い釣り場が無いのでないかと考えてしまう。


釣りは好調でクローマータイプがよく釣れるが今日はお呼びでない。

シンクティップのロッドに持ち替えるとなかなかの婚姻色が着いたアークティックチャーが釣れた。

早速撮影しようとするがアークティックチャーはとにかく暴れまくるので逃げられてしまった。

アークティックチャーはアメマスの比ではないほど落ち着かなし、ネットからの逃亡もかなり上手だ。

ここで迅速に撮影することと、暴れまくるアークティックチャーに対して勝負は一瞬のため予め撮影する場所をセッティングすることにした。

流れが少し入る適度な深さの場所の石を動かしてロッドを置く場所、魚を置く場所、撮影位置まで全て予定して釣りを再開。

すぐに次のチャンスが来てしかもさっきのより鮮やかな個体だ。

やや小さいがネットインして、そのまますぐ後ろの撮影会場に魚とロッドを置き撮影。

これぞアークティックチャーである。上流のポイントを選択して正解だ。

こうした手順で婚姻色の個体が釣れた場合のみ撮影を試みていく。


ある程度釣ったのでYouTubeを参考に製作したニンフをスイングさせてみることにした。

これはYouTubeでアークティックチャーに有効というコメントがあり、私でも作れそうだったので数個持参していた。
できれば自分で作ったフライでも1匹釣りたいところだ。


すぐに小さいクローマーが釣れて、「結局フライは何でも良いんだなやっぱり。でも嬉しいなぁ。」と思っているとすぐに大きそうな魚が来た。

55センチでかなり綺麗なアークティックチャー。このサイズとなるとかなり引きが強烈である。

まさか自作の適当ニンフに来るとは予想していなかったが、撮影にも成功して大満足である。

もう今日は釣りを止めてもいいなということでランチとした。フィンランド人の一人が私の様子を見に来て、トランシーバーでガイドに問題ないと伝えていった。

フィンランド勢も好調のようでこの日は上流の魚の活性が高いようだ。


午後には52センチの黒と緑が特徴的で鰭が立派な婚姻色のアークティックチャーが釣れた。

ミニ三脚を利用してちょっとだけ持ち上げて撮影。婚姻色と言っても個体によって個性があるのがわかる。どのタイプの婚姻色も美しい。


14時前となり、帰りを意識してサテライトキャンプに戻りながらポロポロとクローマーの魚を拾って行った。

前日に変更したラインシステムも良かったのかきっちり魚を取ることができている。

サテライトキャンプ周辺まで釣り下り、綺麗な魚もよく釣れたので16時には釣りをストップした。

グリーンランドでの釣り開始以来、最も自由で充実した釣りだった。